クールスカルプティングは、切らずに部分痩せが実現できる医療ダイエットとして人気を集めています。
ダウンタイムが少なく、施術後すぐに日常生活に戻れると言われていますが、副作用はないのか気になるところです。クールスカルプティングの脂肪減少効果は科学的根拠が認められており、さらに安全性が認められれば、施術を受けたい気持ちが高まることでしょう。
ここではクールスカルプティングの副作用と安全性について詳しく解説していきます。
目次
クールスカルプティングの安全性
クールスカルプティングは、手術をすることなく脂肪層の厚みを減らす医療痩身です。アメリカでは、FDA(米国食品医薬品局)により有効性と安全性が確認され認可されていますが、偽造品などによる被害も報告されています。
これを受けて、日本でクールスカルプティングをおこなうにあたり、美容目的の医療機器は自由診療で使用されるものの、身体に影響を及ぼすリスクがあるため、厚生労働省は日本人に対する有効性と安全性を確認したうえで承認し、十分な知識を有する医師が使用することとしました。
クールスカルプティングの安全性は、副作用の発現率やその程度、脂肪が吸収される過程での血液検査への影響、複数回使用する場合の安全性、冷却温度や吸引などの性能や機器の品質に関する安全性などについて審査されています。
なお、クールスカルプティングは施術後にさまざまな症状が出ることはありますが、いずれも軽く一時的な症状で、数日から数週間で回復することが報告されています。安全性が確認されているとはいえ、どのような症状が出る可能性があるのか常にアンテナをはり、もし新たな症状や、重度の症状が出た場合には適切に対処することが大切です。
クールスカルプティングとは
クールスカルプティングは、部分的に皮下脂肪を冷却して脂肪層の厚みを減らすことで部分痩せを可能にする医療ダイエットです。
その痩せる仕組みと施術方法を説明いたします。
痩せる仕組み
脂肪細胞が、皮膚などの周辺の組織と比べて冷却により損傷を受けやすいことは、幼児がアイスキャンディーをなめ続けていると頬の脂肪組織が炎症を起こすことなど、昔からよく知られていました。これに着想して開発されたのが、部分痩せのために皮下脂肪を冷却する「クライオリポライシス理論」です。
クライオリポライシス理論は、皮膚をある一定の温度で冷却すると、脂肪細胞だけがアポトーシス(細胞の自然死)を起こし、最終的に死滅した脂肪細胞が老廃物として体外に排出されるというものです。このように脂肪細胞が体外に排出されることで脂肪細胞自体の数が減少し、リバウンドしにくい形で脂肪層の厚みが減少します。
クールスカルプティングは、この「クライオリポライシス理論」の原理を実現させる機器と、冷却部位の痛みを和らげるアプリケーターを組み合わせることで、さまざまな部位の部分痩せを可能にしました。
施術方法
クールスカルプティングの施術方法を、治療の流れに従って説明します。
医師によるカウンセリング
クールスカルプティングに十分知識のある専門医が、脂肪を取りたい部位や脂肪の付き方などを確認します。
クールスカルプティングの施術効果や注意点についての説明があります。
治療プランの説明(アセスメント)
クールスカルプティングの施術可能な脂肪の部位を、全方向から確認し、実際に施術のためのマーキングをおこないます。
その結果から治療プランを立てて、最適なアプリケーターを選択します。
ゲルとアプリケーターの装着
脂肪の厚みを減らしたい部位に、皮膚の凍傷を予防するためのゲルを貼り、マーキングにそってアプリケータ―を装着します。
吸引と冷却
施術部位をアプリケーターで吸引しながら冷却します。施術時間は部位によって異なり35分~75分です。
施術後のマッサージ
アプリケーターを外すと、吸引と冷却によって皮膚が赤くなり凸になっています。この部位を看護師が約2分間マッサージします。
施術終了
施術当日から、運動や入浴、飲酒などの日常生活に制限はありません。効果があらわれるまでに2~3ヵ月かかりますが、治療後のアフターケアは必要ありません。
クールスカルプティングの副作用
クールスカルプティングは、FDA(米国食品医薬品局)や厚生労働省で有効性と安全性が確認されていますが、まったく副作用がないわけではありません。
どのような症状が現れることがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
発赤(赤み)
施術直後の副作用として、施術の部位が赤くなることが多いですが、一般的に1~2時間で消えることが多いようです。赤みが続いたとしても自然経過とともに、数日のうちに消えることがほとんどです。アジア人を対象とした臨床試験でも、施術全例で赤みが発現しましたが、数日で消えたと報告されています。
内出血
クールスカルプティングの施術では、アプリケーターで皮膚を吸引するため、施術後に内出血が起こる場合があります。
内出血がどの程度出るかは、個人差や施術の部位にもよるため、実際に施術を受けてみないとわかりません。ただ、内出血が起こったとしても、ほとんどの場合1週間程度で消えると考えてよいでしょう。
普段から、内出血が起こりやすいなどご心配のある方は、事前に主治医に相談しておきましょう。
皮下硬結
クールスカルプティングの施術後に、皮下に硬結、つまり「しこり」ができることがあります。
皮下硬結ができる理由は明らかではありませんが、クールスカルプティングにより皮下出血や炎症、うっ血が起こり、その修復過程で組織変性が起こったり、脂肪細胞に変性が起こることで生じると考えられます。
硬結の発現率は、2015年1月~2021年8月の期間の市販後調査の結果によると0.003%と報告されており、ごく稀な副作用です。臨床試験で認められた皮下の硬結は、施術後16週までには回復したと報告されています。
感覚異常・知覚過敏
クールスカルプティングの施術後に、施術部位のしびれやピリピリ感など、感覚異常や知覚過敏、知覚鈍麻などが生じることがあります。
施術部位の皮膚感覚の症状は一時的で、ほとんどの場合自然経過とともに消えますが、期間については1~2週間から2ヵ月と個人差があるようです。
凍傷
クールスカルプティングの施術後に凍傷が起こる発現率は、0.006%と報告されており、ごく稀な副作用です。
FDA(米国食品医薬品局)や厚生労働省で承認されているアラガン社製の「クールスカルプティングユニット」は、アプリケーターに内蔵された温度センサーにより冷却温度をコントロールし、組織の凍結などの危険性を検知するなど、安全性が配慮されています。また、ゲルパッドを貼ることで、冷却温度を一定に保ち凍傷を防ぐことができます。
一方、認可されていない偽造品が出回っていることや、冷却脂肪融解について十分な知識がない人が施術にあたっている例もあるようです。こうした場合、施術部位の皮膚の損傷などが報告されているため、注意が必要です。
医療機器承認番号:22900BZX00410000
販売名:クールスカルプティング・エリート
色素沈着
クールスカルプティングの施術後の副作用として、色素沈着が報告されています。
重度の色素沈着の発現率は、0.009%とごく稀な副作用です。色素沈着は皮膚のメラニン色素が増えることで起こりますが、アプリケーターによる吸引などの刺激や摩擦、炎症により活性酸素がメラノサイトを刺激することでメラニンが増えると考えられます。メラニンは皮膚のターンオーバーによって排出され、色素沈着は徐々に回復しますが、その期間には個人差があり数週間から数年かかる場合もあるようです。
気になる場合は、皮膚科で相談してみましょう。
逆説的過形成
クールスカルプティングの施術後に、唯一自然治癒しない重大な副作用として、逆説的過形成が0.033%の発現率で報告されています。
逆説的過形成とは、クールスカルプティングの期待する効果とは逆に脂肪が増えてしまう症状で、脂肪吸引や外科的に切除しない限り回復しないことがわかっています。
このことは、見た目にも精神的にも患者さまの負担が大きくQOLを損なう重大な副作用です。逆説的過形成が生じる原因はわかっていませんが、冷却温度や部位などの情報収集と、医師へのフィードバックなど対応策がすすめられています。
施術前に、必ず十分に説明を受けるようにしましょう。
深部静脈血栓症
クールスカルプティングの重大な副作用として、深部静脈血栓症があります。深部静脈血栓症とは、いわゆるエコノミークラス症候群といわれているものです。
食事や水分を十分に摂らずに長時間脚を動かさないでいると、血行不良でできた血のかたまりが血液中を流れて肺塞栓を起こすことがあります。
クールスカルプティングの施術時間は35分程度のため、発症することはほとんどありませんが、膝の裏側はリスクが高いため施術することができません。
血管迷走神経反射
クールスカルプティングの施術にともない、血管迷走神経反射が起こることがあります。
発現率は、2015年1月~2021年8月の期間の市販後調査の結果によると0.003%とごく稀な副作用です。
血管迷走神経反射とは、緊張やストレスなどによって血圧が低下したり、心拍数が減少したりすることで貧血になり、気分が悪くなったり、めまいがしたり、冷や汗をかくなどの症状が起こり、失神することもあります。クールスカルプティングの施術にともなう不安や緊張によるものと考えられます。
クールスカルプティングの施術は痛みもなく、専門の医師と看護師が安全に施術しますので、安心してお任せしリラックスすることで防ぐことができます。
ただし、施術に対する不安が強く、緊張しやすい方は、施術前に医師に伝えておきましょう。
副作用になる確率は?
海外のクールスカルプティングの市販後調査によると、2018年9月までに報告されたクールスカルプティングによる有害な症状の発現率は0.088%でした。
重い副作用の発現は報告されておらず、ほとんどの副作用は一時的な症状で、特別な治療をすることなく経過とともに自然に回復しています。
軽い副作用の場合、一般的に2週間程度で回復しますが、個人差もあり回復に数ヵ月かかる場合もあります。
気になる症状があれば、主治医に相談するようにしましょう。
術後の過ごし方と副作用が出たときの対処法
ここからは施術の対応についてご紹介します。
施術後の過ごし方
クールスカルプティングは、施術後、運動や入浴、飲酒などへの制限はなく、すぐに普段の日常生活を送って構いません。
ただし術後1週間程度は、施術部位が赤くなったり、ヒリヒリ感やチクチクなどの違和感があったり、筋肉痛のような鈍い痛みが残ったりすることがあるため、動きづらいと感じることがあるようです。
副作用が出たときの対処法
軽い症状の場合には、経過とともに自然に回復することがほとんどです。症状が重い場合や、回復に時間がかかる場合には、医師に相談するようにしましょう。
また、逆説的過形成と思われる症状に気付いた場合には、早急に医師に連絡してください。
クルスカについてよくある質問
クルスカを受けるうえでリスクはありますか?
場合によっては腫れや赤み、ヒリヒリ・チクチク感が翌日〜1週間程度続くことがあります。あご下の治療の場合は、のどの奥がつまったような感覚になることもあります。その他ごくまれに、内出血・硬結・知覚鈍麻・凍傷・色素沈着・逆説的過形成・輪郭異常を生じる可能性があります。
クルスカは、安全性のある治療なのでしょうか?
日本の厚生労働省から安全性と効果を認められた、安全が担保されている痩身治療といえます。メスや針を使う施術ではなく、リスクや出血・腫れなどのダウンタイムも少ない治療です。
クールスカルプティングは施術経験豊富な湘南美容クリニックの医師におまかせ
クールスカルプティングは、FDA(米国食品医薬品局)や厚生労働省で承認された機器を用い、冷却脂肪融解について十分な知識のある医師の元で施術することとなっています。
湘南美容クリニックのクールスカルプティングは、厚生労働省で唯一承認されているアラガン社製クールスカルプティングの従来の製品から進化し、2エリア同時施術可能でフィット感がアップしたクールスカルプティングエリートを使用しています。
また、湘南美容クリニックには、クールスカルプティングを熟知したクールスカルプティング認定医と、メーカー主催の講習会であるCool sculpting EDにおいて、知識と技術を習得し、全過程を修了して認定を受けたスタッフが在籍しています。
クールスカルプティングをお考えの場合には、施術経験豊富な湘南美容クリニックにおまかせください。