糸リフトは、トゲのついた糸を皮下組織に挿入することでリフトアップが期待できる施術です。使用される糸の種類はさまざまで、それぞれ効果や特徴が異なります。「どの糸を選べばよいかわからない」「糸の違いは何?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
本記事では、糸リフトの種類やそれぞれの特徴、効果の違いを詳しく解説します。
糸リフト(スレッドリフト)とは?

糸リフト(スレッドリフト)とは、コグと呼ばれる棘が付いた糸を皮下組織に引っかけ固定することで、顔のたるみやほうれい線などの原因である下垂脂肪を直接持ち上げ、たるみをリフトアップさせる施術です。
また、糸を挿入して真皮層を刺激することで、肌のハリや弾力を保つコラーゲンが生成されるため美肌効果も期待できます。
糸リフトの種類による効果の違い
糸リフトで使用する糸にはさまざまな種類があり、コグの有無や形状、太さやしなやかさなどが異なります。そのため、糸の種類によって効果や仕上がりに違いがあるのです。
引き上げ力
引き上げ力は糸の長さや挿入する本数、太さ、しなやかさ、コグの形状などによって差が生じます。引き上げ力が弱いと、理想通りのリフトアップ効果が得られないことがありますが、引き上げ力が強ければよいというわけではありません。強すぎると皮膚表面の凹みやひきつれを起こしやすくなるため、最適な糸の種類と本数を正しい方向・テンションで挿入する必要があります。
肌質改善効果
糸リフトによる肌質改善効果は、皮下組織に糸を挿入した刺激によって得られます。糸の太さや材質、コグの形状によって、肌質改善効果の程度や持続期間に違いが出るため、リフトアップとあわせて肌質改善を希望される方は、診察・カウンセリングの際に要望を伝えるようにしましょう。
効果の持続期間
糸の素材によって体内に吸収されるまでの時間が異なるため、効果の持続期間にも差が出ます。糸の持続期間とは、皮膚内に糸が存在する期間のことで、=リフトアップ効果の持続期間というわけではありません。引き上げ力は時間の経過とともに弱まるため、単純に糸の持続期間が長いものを選べばよいというわけではないのです。
糸リフトの種類は主に4タイプ
糸リフトに使用する糸にはさまざまな種類があり、溶けるor溶けない、トゲがあるorない、の2つのポイントで分けることができます。
溶ける糸と溶けない糸
糸リフトで使用する糸には、溶ける糸と溶けない糸があります。
溶ける糸は時間の経過とともに体内に吸収されるため、糸が残らないのが特徴です。半年から1年ほどリフトアップ効果が期待できますが、段々ともとの状態に戻ってしまうため、効果を長持ちさせたい場合は再施術を受ける必要があります。
溶けない糸は体内に吸収されないため、リフトアップ効果は2〜3年程度持続するといわれています。溶ける糸に比べて効果の持続期間は長いですが、体内に糸が残り続けてしまうため、感染や触知・ひきつれなどの原因となりやすいです。
溶ける糸は医療分野でも広く使用されており安全性が高いため、近年は溶ける糸が主流となっています。
トゲがある糸とトゲがない糸
糸リフトに使用する糸のもう一つの違いは、トゲの有無です。トゲはコグとも呼ばれ、フックのような役割を果たしています。
トゲがあると皮下組織に引っかかり、直接たるみを引き上げるため、高いリフトアップ効果が期待できます。たるみやほうれい線、マリオネットラインなどのもたつきが強い方におすすめです。円錐状のトゲがついている糸や、トゲとメッシュが組み合わさった糸などさまざまな種類があります。
トゲがない糸は、糸を挿入する刺激でコラーゲンが生成されるため、肌のハリ・ツヤ向上や美肌効果が期待できます。リフトアップ効果もありますが、トゲがある糸と比べてやや劣るでしょう。
糸リフトで使用する糸の素材
糸リフトに使用する糸には、溶けるタイプと溶けないタイプがあると解説しましたが、溶ける糸のなかにも種類があります。イテウォンビューティークリニックの糸リフトで使用する糸の素材には、PDO・PCL・PLLAの3つがあります。
PDO糸 | PCL糸 | PLLA糸 | |
糸の柔軟性 | ◯ | ◎ | △ |
施術後の痛み | ◯ | ◎ | △ |
牽引力 | ◯ | ◎ | ◎ |
PDO(ポリジオキサノン)
PDO(ポリジオキサノン)は、外科手術の縫合にも用いられる医療用の吸収糸で、安全性が高いスタンダードな糸の素材です。強すぎず弱すぎないリフトアップ力とともに、脂肪委縮効果ですっきりした印象になる効果が期待できます。また、素材そのものにコラーゲン生成を促す働きがあり、肌にハリやツヤを与えます。糸の持続期間は、半年〜1年程度です。
PCL(ポリカプロラクトン)
PCL(ポリカプロラクトン)は、PDO同様に医療分野でも使用される素材で、加水分解により100%体内で吸収されます。PDOやPLLAよりも分解速度が遅いため効果の持続期間が長く、2〜3年程度リフトアップ効果を発揮します。また、柔軟性に優れているため、口元やあごなどの曲線に沿って糸を挿入することが可能です。
PLLA(ポリ乳酸)
PLLA(ポリ乳酸)は植物を原料とした素材で、FDAに承認されている安全性の高い糸です。他の糸と比較するとやや硬いため引き上げる力が強く、高いリフトアップ効果が期待できます。効果の持続期間が、1年半〜2年程度です。
イテウォンビューティークリニックの糸リフトの種類
イテウォンビューティークリニックでは、プリマリフト・VOVリフト・シークレットリフト・テスリフトの4種類の糸リフトをご用意しております。それぞれ症例写真と合わせて特徴をご紹介します。
種類 | プリマリフト | VOVリフト | シークレットリフト | テスリフト |
特徴 | 痛みの少ない施術で、当日でも腫れが気にならないナチュラルな引き上げが可能 | 最も細くしなやかで柔軟性のある糸によって顔の曲線に沿って糸の挿入が可能 | 360度方向の強靭なコグによって広い範囲の引き上げが可能 | 3Dのメッシュによって覆われた糸が組織に絡んで一体化するため持続性が高い |
素材 | PDO | PCL | PCL+PLLA | PDO |
おすすめの人 | 費用を抑えてナチュラルに引き上げたい人 | 頬やほうれい線のひきつれ、凸凹にお悩みの人 | 引き上げたい範囲が広い人 | リフトアップと同時にたるみ予防と美肌効果を得たい人 |
糸の形状 |
SBCプリマリフト(PDO)
SBCプリマリフトではPDO糸を使用しているため、リフトアップ効果だけでなく、脂肪燃焼によるタイトニング効果も期待できます。立体的な3次元コグで引き上げ力・糸の強度が高く、費用も比較的リーズナブルなので、糸リフトを初めて受ける方におすすめです。

施術名:プリマリフト 施術の説明:弾力性のある溶ける糸を挿入する糸のリフトアップ(スレッドリフト)です。 施術の副作用(リスク):傷・疼痛・腫れ・内出血・ひきつれ・神経障害を生じる可能性があります。 施術の価格:9,600円~228,000円 |
頬からフェイスラインにかけてのたるみが解消され、すっきり若々しい印象になりましたね。SBCプリマリフトは糸の挿入法に特徴があり、腫れや内出血を最小限に抑えることができます。
VOVリフト(PCL)
VOVリフトの糸の素材はPCLで、しなやかさと強度を両立した糸リフトです。糸が分解される過程でコラーゲン新生を生じさせるため、肌の弾力・再生にも効果を発揮します。効果の持続期間が長く、挿入時の痛みが少ないのが特徴です。

施術名:VOV(ボブ)リフト 施術の説明:弾力性のある溶ける糸を挿入する糸のリフトアップ(スレッドリフト)です。 施術の副作用(リスク):だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・皮膚が凹む・糸を固定した部分が膨らむ・触れる・違和感・異物感・突っ張り感・引きつり感を感じるなどを生じることがあります。 施術の価格:18,400円~456,000円 |
ほうれい線やたるみ改善に適しているVOVリフト。フェイスラインがシャープになり、肌のうるおいやツヤ感もアップしましたね!
シークレットリフト(PCL+PLLA)
シークレットリフトは、PCL糸の柔軟性とPLLA糸の持続性を兼ね備えた糸リフトです。両方のメリットを合体させた混合スレッドで、ひきつれを起こす可能性が低く、ナチュラルな若返りを長期間維持することができます。

施術名:シークレットリフト 施術の説明:やわらかく柔軟性のあるリフティング用スレッドを肌に挿入し、たるみを引き上げる施術です。 施術の副作用(リスク):傷・疼痛・腫れ・内出血・ひきつれ・神経障害を生じる可能性があります。 施術の価格:25,600円~475,920円 |
口元、フェイスラインのもたつきが改善され、すっきりとキレイなフェイスラインになりました。シークレットリフトはたるみの予防効果もありますので、早めに入れておくのがおすすめです。
テスリフト(PDO)
テスリフトでは、トゲのついた糸の周りを網目状の3Dメッシュで覆った特殊な糸が用いられており、リフトアップ効果の持続性・たるみ予防効果の持続性が高い次世代の糸リフトです。また、皮下組織と接する面積が大きいため、他の糸に比べてより多くのコラーゲンやエラスチンが生成されます。リフトアップ・たるみ予防と同時に美肌効果を得たい方におすすめです。

施術名:テスリフト 施術の説明:弾力性のある溶ける糸を挿入する糸のリフトアップ(スレッドリフト)です。 施術の副作用(リスク):だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・皮膚が凹む・糸を固定した部分が膨らむ・触れる・違和感・異物感・突っ張り感・引きつり感を感じるなどを生じることがあります。 施術の価格:29,600円~528,000円 |
たるみを引き上げることで頬のコケが改善され、キレイな輪郭に仕上がりました。テスリフトは、ナチュラルにしっかり引き上げることが可能です。
糸リフトを受ける際の注意点
糸リフトを受ける際は、理想通りの効果を得るためにも以下の点に注意しましょう。
糸の素材や特徴を確認しておく
糸リフトでは得たい効果やお悩みなどによって使用する糸が異なり、糸の種類によって効果に違いが生じます。溶ける糸か溶けない糸か、トゲの有無や形状など糸の種類・特徴はさまざまです。リフトアップのみでよい、美肌効果も得たい、など悩みの優先順位を決めて、カウンセリングでしっかりと確認するようにしてください。
効果の持続期間を把握しておく
糸リフトの効果の持続期間は、糸の種類によって異なります。効果には上限がありますが、定期的なメンテナンスによって長持ちさせることが可能です。次回の施術時期を知るためにも、効果の持続期間を把握しておくとよいでしょう。
糸リフトの持続期間について詳しく知りたい方は、下記記事も合わせてご覧ください。
糸リフトには半永久的な効果がある?持続期間や長持ちさせる方法を解説
ダウンタイムや副作用について理解しておく
糸リフトは、極細の鈍針カニューレで施術をおこなうため、切開をともなう施術と比べるとダウンタイムや副作用は少ないです。しかし、挿入時に痛みを感じたり、施術後に違和感が生じたりする可能性はゼロではありません。施術後、安心して過ごすためにも、ダウンタイムや副作用、リスクなどは事前に確認しておきましょう。
ダウンタイム
- 腫れや痛み:2日~2週間ほど
- 内出血:1~2週間ほど
- 針跡:数日~1週間ほど
リスク
施術による傷や疼痛、腫れ、内出血、ひきつれ、神経障害、逆説的過形成、輪郭異常を生じる可能性が考えられます。
糸リフトを受けるクリニック選びのポイント
糸リフトで失敗しないためには、クリニック選びが重要です。ここでは押さえておきたいクリニック選びのポイントを2つご紹介します。
カウンセリング力
お客さまに寄り添い、丁寧なカウンセリングをしてくれるクリニックを選びましょう。一方的に医師の得意なデザインをおすすめしてくるのではなく、お客さまのお悩みや希望にしっかりと耳を傾け、それらを考慮したうえで施術を提案するクリニック・医師を選んでください。そうすることで、仕上がりに満足できなかったり、後悔してしまったりするのを避けることができます。
経験豊富な医師
糸リフトは、医師の技術や経験によって仕上がりに差が生じます。お客さまの希望や肌の状態などによって、糸の種類や本数などを調整しなくてはなりません。経験を積んだ医師のほうが安心して任せられるため、事前に症例写真などを確認しておくとよいでしょう。また、経験豊富な医師を選ぶことでダウンタイムが抑えられる場合もあります。
まとめ
糸リフトの種類は、溶ける糸と溶けない糸、トゲがある糸とない糸などさまざまで、それぞれ効果や特徴に違いがあります。悩みや求める効果によって使用する糸は異なるため、糸リフトで失敗しないためには最適な糸の種類を選択することが重要です。経験豊富な医師が在籍し、カウンセリングを丁寧におこなってくれるクリニックを選びましょう。
イテウォンビューティークリニックは、小顔・若返りの治療に特化したクリニックです。特に糸リフトは多くのお客さまから支持を得ており、開院2年で症例数は15,000件を超えました(※集計期間2022年7月~2024年9月)。糸リフト全国症例数No.1(SBC内)を誇る医師も在籍しております。ぜひ一度、カウンセリングにお越しください。