女性の薄毛の原因は、男性と比べて複合的ですが、主な原因は実は女性ホルモンです。ホルモンバランスが乱れることで、身体や髪にさまざまな影響がおよびます。つまりホルモンバランスを整えることが、薄毛予防のカギといえます。

本記事では、女性ホルモンと薄毛の関係やホルモンバランスが乱れる原因、薄毛予防や効果的な薄毛治療をご紹介します。

女性ホルモンと薄毛の関係

女性ホルモンは女性らしい身体の形成に必須の物質ですが、実は薄毛にも深い関わりがあります。特に女性ホルモンに含まれる「エストロゲン」と「プロゲステロン」は、健康的な髪を作る働きや、正常なヘアサイクル維持に必要な要素といわれています。具体的にどのように薄毛と関係しているのか解説します。

女性ホルモンの減少が薄毛につながる?

女性のライフステージに合わせて、女性ホルモンの分泌量は増減します。30代前半までをピークに、それ以降は少しずつ減少していき、更年期(40代後半頃)になると、女性ホルモンが激減するといいます。

この女性ホルモンの減少にともなって、髪に必要な「エストロゲン」と「プロゲステロン」も減少してしまい、薄毛や抜け毛につながってしまうのです。

ホルモンバランスの乱れで薄毛や抜け毛に?

女性のホルモンバランスは繊細で、些細なことでも乱れやすいといわれています。自律神経の乱れなどからホルモンバランスが崩れ、身体にさまざまな影響を及ぼします。この影響は髪にも及び、髪の生成に必要なホルモンの減少やアンバランスが、薄毛や抜け毛を引き起こす原因の1つとされています。

薄毛、抜け毛の原因となり得る女性のホルモンバランスが乱れる原因

先述のように、女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」があり、この2つがちょうどよいバランスで分泌されています。2つの分泌量のバランスが崩れることが「ホルモンバランス乱れ」と一般的にいわれます。

ホルモンバランスが乱れる原因は、主に次の4つです。

男性ホルモンの減少

実は、男性ホルモン(テストステロン)は女性にとっても欠かせないホルモンの1つです。女性ホルモンのほうが多く分泌されていますが、一定のバランスを保って男性ホルモンも分泌されます。しかし加齢やストレス、ピルの服用などによって、男性ホルモンが減少することがあります。これによりホルモンバランスが乱れるケースがあるのです。また、反対に女性ホルモンが減少して、男性ホルモンが増加する場合があり、この場合は女性が男性型脱毛症を発症する原因にもなります。

加齢や時期によるもの

ホルモンバランスの乱れは、加齢や時期が原因で引き起こされることもあります。特に女性ホルモンのエストロゲンは、更年期(40代後半頃)を境に大きく減少します。一方で思春期の10代も、子宮が未熟であることからホルモンバランスが乱れやすいといわれています。

このように加齢はもちろん、思春期や更年期などの時期によるものも、ホルモンバランスが乱れる原因です。

出産

出産後の急激なホルモン変化により、ホルモンバランスが乱れます。女性は妊娠中、女性ホルモンが顕著に増加しますが、出産を終えると急激に減少します。これにともないホルモンバランスが乱れ、産後に薄毛や抜け毛が増える女性が多いといいます。ただし産後のホルモンバランスの乱れによる薄毛は、半年〜1年程度で回復する一時的なものです。

睡眠不足やストレス

女性ホルモンは非常に繊細で、普段の生活習慣やストレスなどでホルモンバランスを崩してしまいます。女性ホルモンの分泌を司る脳はストレスの影響を受けやすく、過度なストレスを受けるとホルモンの分泌量を狂わせる原因となります。
さらに睡眠不足も、ホルモンバランスの乱れにつながります。したがって、睡眠不足やストレスが間接的に薄毛につながることがあるのです。

ホルモンバランスを整えて女性の薄毛を予防する方法

女性の薄毛は、ホルモンバランスと密接に関係しています。つまりホルモンバランスを整えることが、女性の薄毛予防に効果的であるといえるでしょう。また頭皮環境を整えることも重要です。

ここでは手軽に実践できる、女性の薄毛予防策をご紹介します。

栄養バランスの取れた食事をとる

ホルモンバランスを保つためにも、バランスのよい食事を心がけましょう。特に女性の場合、過度なダイエットをして栄養不足に陥っているケースも多々あります。女性ホルモンの分泌量を保つためにも、鉄分・タンパク質は欠かせない栄養素です。

またイソフラボンという成分は、植物性エストロゲンとも呼ばれ、女性ホルモンのエストロゲンと似た役割を果たします。ホルモンバランスを正常に保つためにも、これらを意識的に普段の食事に取り入れて、薄毛を予防しましょう。

規則正しい生活を送る

睡眠不足や過労は、ホルモンバランスの乱れにつながります。さらに髪は寝ている間に最も成長するため、十分な睡眠を確保することは、健やかな髪を保つために重要です。質のよい睡眠時間を確保するためにも、規則正しい生活習慣を身につけましょう。

紫外線対策をする

頭皮の紫外線対策も薄毛予防につながります。過度な紫外線は頭皮や髪にダメージを与え、炎症を引き起こす原因になる場合があります。頭皮環境を良好に保ち、薄毛を防ぐためにも、帽子や日傘などを活用しましょう。

頭皮のマッサージをおこなう

髪に必要な栄養素は、血液によって運搬されます。頭皮マッサージをすることで血行が改善され、髪の成長を促すことにつながります。入浴時や洗髪時に、頭皮マッサージを取り入れるのもよいでしょう。

リフレッシュやリラックスタイムを設ける

ストレスを溜め込み過ぎると、ホルモンバランスの乱れにつながります。ストレス発散ができるように、適度な運動やリフレッシュできる時間を作ることがおすすめです。軽いウォーキングやヨガなども、血行を改善してストレス解消になります。ゆっくり入浴する、マッサージを受けるなど、自分がリラックスできる方法でストレスを溜め込まないようにしましょう。

女性ホルモンが原因の薄毛に対する治療方法

女性ホルモンが原因で引き起こる薄毛として、円形脱毛症・産後脱毛症・FAGAなどがあげられます。なかでもFAGAは、女性ホルモンが減少し、男性ホルモンの量が上回ってしまうことが主な原因です。FAGAによる薄毛の場合は、セルフケアによる薄毛予防や対策が困難であるため、次のような治療方法が有効となります。

内服薬

FAGAの治療薬としてまず代表的なのが「ミノキシジル」と「スピロノラクトン」配合の内服薬です。ミノキシジルとは、毛細血管を拡張して血流を改善し、発毛を促す作用のある成分のことです。髪の成長に必要な栄養をより多く毛乳頭に届けられます。

またスピロノラクトンとは、薄毛の原因となる男性ホルモンを抑制し、発毛サイクルを改善する作用のある成分のことです。これらの成分を配合した内服薬を服用することで、薄毛改善が期待できます。

FAGAの内服薬の詳細はこちら>

外用薬

ミノキシジルを含んだ外用薬も、発毛効果が期待できるFAGAに有効な治療法です。直接薄毛が気になる部位に塗布するスプレータイプで、手軽に治療を継続できます。単独での使用より、多くの場合は内服薬と併用することで、より高い効果を実感できるでしょう。

FAGAの外用薬の詳細はこちら>

レーザー治療

レーザー治療は、低出力のレーザーを頭皮へ照射することで、新陳代謝を高めて発毛を促す治療です。複数回実施し、4ヵ月程度継続することで効果を実感できるといいます。ただし頭皮の日焼けがひどい方などはレーザー治療ができないため、他の治療が適用になります。

メソセラピー

メソセラピーは、主に注射などを用いて患部に直接ミノキシジルや成長因子などを浸透させ、薄毛を改善する治療法です。2〜4週間に1回の頻度で受けることが推奨されます。個人差がありますが、治療回数は6〜16回程度です。内服薬と併用するとより効果を実感できます。

メソセラピー(クイックメソ)の詳細はこちら>

ホルモンバランスを整えて薄毛対策をしよう

女性の薄毛は男性とは異なり、妊娠・出産・加齢などによるホルモンバランスの乱れが大きく関係しています。食事や睡眠に関わる生活習慣を改善してホルモンバランスを整え、頭皮ケアや紫外線対策などのセルフケアで、頭皮環境を良好に保つように心がけましょう。ただし、セルフケアでの改善には限界があります。根本的な薄毛改善をしたい方は、専門のクリニックを受診することをおすすめします。

湘南のFAGA治療では、専門の医師が一人ひとりに合った女性の薄毛治療をご提案します。生活習慣の改善指導も同時におこないながら、確実な発毛へと導きます。

薄毛のお悩みは一人で抱え込まず、私たち専門医に相談してみませんか。カウンセリングは無料です。まずはお気軽にご相談ください。