日本のアトピー性皮膚炎の有症率を見ると、年代別では20歳代で約10%、男女別では女性が約8%であり、20代の女性に特に高いという調査があります。脱毛に関心がある若い女性の有症率が高いのですが、アトピー肌でも脱毛することはできるのでしょうか?
アトピー肌でも脱毛はできる?
まず、アトピー肌であっても脱毛することができます。むしろアトピーの人にとって医療脱毛はおすすめです。自己処理を続けるよりも結果的に肌への負担が少なく最善の方法だといえます。
サロンの場合
サロンでもアトピー肌の人の脱毛を行っているところがほとんどです。多くのサロンでは、痛みに配慮したり術後の肌トラブルの準備をしたりといった対応をしています。ただし肌の状態が悪い時やステロイドを内服している時など、施術ができない場合もあります。
不測の事態に備えて考慮・対応はしていますが、実際にトラブルが起こってしまった場合、医師がその場にいないのはリスクだといえるでしょう。
クリニックの場合
もちろんクリニックでもアトピー肌の人が脱毛を受けることができます。クリニックの場合は皮膚科の専門医が常駐しているので、施術時に問題が起こった場合も安心です。
サロンと同じく、肌の状態や薬の使用状況によっては施術できない場合があります。しかし施術できる・できないの判断も、専門知識を持った医師が行うので安心です。
湘南美容クリニックの対応
湘南美容クリニックでもアトピー肌の人に脱毛の施術を行っています。まずドクターまたは看護師とのカウンセリングで肌の状態などを確認します。その後、施術直前にテスト照射をして同日施術になります。
カウンセリングとテスト照射の結果を合わせて判断するので、施術する場合も不安をなくした状態で受けることができます。
アトピー肌は医療脱毛がおすすめの理由
アトピー肌の場合、医療脱毛がおすすめです。他の方法より医療脱毛がおすすめできる理由は次の通りです。
- 自己処理の主な方法のカミソリや脱毛クリームは肌への負担がありリスクが高い
- サロン脱毛はトラブルがあった時にその場での医療行為ができずリスクがある
次に医療脱毛のメリットを2点まとめます。
施術判断を医師が行うから安心
湘南美容クリニックをはじめ、クリニックでは施術の前のカウンセリングはドクターや看護師が行うのが一般的です。1人ひとりの肌の状態などを確認・診断の上、医学的な知識に基づいて施術できるかの判断を医師が行います。安心して施術を受けることができます。
万一のときのアフターフォローが万全
医療脱毛なら万一の場合も医師がその場で対応することが可能です。医療脱毛を行うクリニックには医師が常駐しています。トラブルがあってもその場で薬の処方などの処置を行うことができます。
エステサロンや自宅で肌に問題が起こった場合を想像してみてください。かかりつけ医で受診できるか確認したり、できなければ近くの受診可能な皮膚科を探して自力でそこに行かなくてはなりません。
それを考えると、医師が常駐しているクリニックは施術を受ける時に安心できます。
アトピー肌のおすすめ自己処理方法
自己処理する場合は、肌への負担ができるだけ少ない方法を選びましょう。具体的には、次の2つがおすすめです。
- 電気シェーバー
- 家庭用脱毛器
ただし繰り返しますが、自己処理は医師の判断なしで行うので自己責任となります。自己処理は次の3点に注意して行いましょう。
- 十分に肌を保湿する
- 合わないと感じたらすぐやめる
- 肌や機器の衛生に気を付ける
電気シェーバー
電気シェーバーは刃が直接肌に触れることがないため、他の方法よりは肌への刺激が少ないといえます。医療脱毛の場合も施術前に自己処理をしなくてはなりませんが、その際の方法として電気シェーバーを推奨するクリニックが多くあります。比較的安心だという判断の表れです。
ただし電気シェーバーはカミソリのように深剃りをすることができません。そのため、またすぐにムダ毛が生えてくるデメリットがあります。
家庭用脱毛器
サロンやクリニックと同じ原理の家庭用脱毛器は、肌そのものでなく毛にアプローチするので肌への影響が少ない脱毛方法です。
ただしデメリットがいくつかあります。
- 購入前にアトピーでも使えるか機種か確認する必要がある
(機種によっては、アトピーの場合使用不可とされている)
- 医師への相談ができない
- 照射のレベルや時間の長さに注意しないとやけどの可能性がある
- 誤って目に向けて照射すると失明の可能性がある
アトピー肌にNGの自己処理方法
アトピー肌にはNGの自己処理方法があります。肌への刺激・負担が強い方法です。具体的には次の通りです。
- カミソリ
- 脱毛クリーム
- ワックス
カミソリ
カミソリは、カミソリ負けによるリスクがどうしても避けられません。カミソリを使っている人も多いかもしれませんが、避けることをおすすめします。カミソリには次のリスクがあります。
- 乾燥
- 痛みやかゆみ
- シミなど色素沈着
- 傷
乾燥や痛み・かゆみ、傷はアトピーを悪化させる原因となる場合があります。
脱毛クリーム
脱毛クリームは肌への負担が強いため、避けることをおすすめします。脱毛クリームはムダ毛のたんぱく質を溶かして脱毛・除毛する方法です。カミソリのように傷がつくことはありませんが、ムダ毛だけではなく肌も影響を受けてしまいます。肌もムダ毛もたんぱく質でできているからです。
脱毛クリームは次の症状を引き起こす可能性があります。
- 肌荒れ
- 肌のかゆみやヒリヒリ感
ワックス
ワックスによる脱毛は、肌に大きな負担がかかるので避けた方がよい方法です。
ワックス脱毛は、どろりとしたワックスを肌に塗り、乾いたらムダ毛ごと剥がして脱毛する方法です。ワックスを剥がす時にムダ毛だけではなく肌の表面も剥がれてしまうため、次のような問題が起こる場合があります。
- 内出血
- 炎症
- 埋没毛
アトピー肌の自己処理で気をつけるポイント
自己処理をする際には、トラブルの起こる可能性を減らすために特に次の点に気をつけましょう。もし問題が起こったとしても自己責任になってしまうからです。
- 手や脱毛個所が清潔な状態で行う
- 脱毛前後の保湿は念入りにする
- 生理前や風邪などのときは避ける
手や脱毛箇所が清潔な状態で行う
自己処理は手や脱毛個所が清潔な状態で行いましょう。入浴後やせっけんで洗ってからが安心です。
アトピー肌は、皮膚のバリア機能が低くなっていて、外からの抗原や刺激が入ってきやすい状態です。脱毛は肌を刺激することになるので、なおさら注意が必要です。自己処理は抗原が入ってこないように清潔な状態で行いましょう。
もちろん脱毛の後もリスクがあります。脱毛後も肌を清潔に保ちましょう。
脱毛前後の保湿は念入りにする
脱毛する際には、保湿クリームなどでしっかり保湿します。肌の保湿能力が弱まっていることはアトピーの要因の1つです。
肌の保湿能力が弱まって肌が乾燥することは、かゆみの原因となります。かゆいからと掻いてしまうと、さらにバリア機能が低下します。肌の乾燥は悪循環を引き起こします。
症状悪化の予防には保湿が重要です。脱毛前後、特に脱毛後は肌の保湿をしっかりと行いましょう。
生理前や風邪などのときは避ける
肌の状態が特に悪化しやすい生理前や風邪の時は避けます。
一般的な傾向ですが、アトピー肌の人の場合、生理の前の黄体期・高温期は肌のかゆみが強くなったり乾燥したりすることが多くあります。また個人差はあるのですが、風邪をひいた時もアトピーが悪化する場合があります。
これらのタイミングは避けて脱毛するようにしましょう。
まとめ
アトピー肌でも脱毛はできる?
アトピー肌でも、サロンやクリニックで脱毛することができます。自己処理を続けるよりも結果的に肌への負担が少なくおすすめです。ただし肌の状態などによってはできない場合もあります。
アトピー肌は医療脱毛がおすすめの理由
アトピー肌の場合、医療脱毛がおすすめです。理由は次の通りです。
- 主な自己処理の方法となるカミソリや脱毛クリームはリスクが多い
- サロン脱毛は、トラブルがあった時にその場での医療行為ができずリスクがある
- 医療脱毛の場合、施術の判断を医師が行うので安心できる
- 医療脱毛の場合、医師が常駐しているのでトラブルのアフターフォローが万全で安心
アトピー肌のおすすめ自己処理方法
自己処理する場合は、肌への負担ができるだけ少ない次の2つがおすすめです。
- 電気シェーバー…刃が直接肌に触れることがないため、肌への刺激が少ない
- 家庭用脱毛器…肌そのものでなく毛にアプローチするので肌への影響が少ない
アトピー肌の自己処理で気をつけるポイント
自己処理をする際は特に次の点に気をつけましょう。仮に問題が起こっても自己責任になってしまいます。
- 手や脱毛個所が清潔な状態で行う
- 脱毛前後の保湿は念入りにする
- 生理前や風邪などのときは避ける