目の下のクマには、美容医療による治療が有効です。しかし、治療法にはさまざまな種類があり、どの方法が自分に適しているか迷われる方も多いでしょう。本記事では、クマ取り治療のなかでも人気の「ハムラ法」に焦点を当て、その特徴や種類ついて解説します。
ハムラ法とは?目の下のクマ・たるみ治療
ハムラ法は、目の周りの眼窩脂肪の突出によって起こる「影クマ」に適応されるクマ治療の1つです。この方法では、下まぶたを切開し、目の下のふくらみを凹みの部分に移動することでフラットにし、目の下のクマやたるみを改善します。他のクマ・たるみ治療として、余分な脂肪を除去する「脱脂」もありますが、ハムラ法は、脂肪を切除するのではなく移動させて再配置することが大きく異なる点です。
ハムラ法には、主に「表ハムラ法(切開ハムラ法)」と「裏ハムラ法」の2種類があります。
ハムラ法の特徴
脂肪を移動させるハムラ法は、脱脂や脂肪注入を併用したクマ・たるみ取りとは異なる特徴がいくつかあります。
ふくらみと凹みを同時に改善
ハムラ法は脂肪を移動させる術式のため、膨らみと凹みを同時に改善できるのが特徴です。
脱脂によるクマ取りの場合、脂肪のふくらみを切除したあと、さらに脂肪注入で凹みを補うケースがあります。ハムラ法は1度の施術でクマを改善でき、施術時間も40〜90分程度と比較的短くて済みます。
皮膚のたるみやしわも改善
目の下の皮膚を直接切開する表ハムラ法では、場合によって余分な皮膚も切除することで皮膚のたるみやしわも同時に改善できます。
目の下にハリが戻るため、加齢によってたるみが大きい方や、皮膚余りが気になる方におすすめです。
脂肪の取り残しや定着率の心配が不要
ハムラ法では脱脂をしないため、眼窩脂肪の取り残しや取り過ぎといったリスクを回避できます。さらに脂肪注入がともなう場合、脂肪を採取する部位の痛みや定着率が懸念点となることがありますが、ハムラ法ではその心配がありません。
脂肪の切除や注入に抵抗がある方には、余分な脂肪を移動させるハムラ法が適した治療法といえるでしょう。ただし、クマの状態によっては、一部脂肪を切除したり、脂肪注入が必要になる場合もあります。
表ハムラ法(切開ハムラ法)と裏ハムラ法の違い
表ハムラ法は下まぶたの表面から、裏ハムラ法は下まぶたの裏側からアプローチするのが大きな違いです。術式の違いにともなって、適応となる人やダウンタイムなども異なります。
ハムラ法でクマ取りを検討中の方は、両者の違いを把握して比較検討してみましょう。
表ハムラ法(切開ハムラ法) | 裏ハムラ法 | |
適応年齢層 | 30〜60代 | 20〜50代 |
手術時間 | 90〜120分程度 ※あくまで目安 |
40分程度 ※あくまで目安 |
傷跡 | まつ毛のキワ ※ただし目立ちにくい |
なし |
治療効果 | ・目の下のふくらみと凹みを同時に改善 ・皮膚のたるみやしわも改善 |
・目の下のふくらみと凹みを同時に改善 |
メリット | ・脱脂や脂肪注入をせずクマを改善 ・皮膚のたるみを改善してハリを出すことも可能 ・ふくらみが大きい、皮膚のたるみが大きい60代にも適応 |
・脱脂や脂肪注入をせずクマを改善 ・傷跡が残らない ・ダウンタイムが少ない ・下眼瞼外反等のリスクが低い ・涙袋がなくなることがない |
デメリット | ・施術時間やダウンタイムが比較的長い ・多少傷跡が残る場合がある ・抜糸が必要になる ・裏ハムラ法に比べて下眼瞼外反等のリスクがある |
・皮膚のたるみやしわは改善できない ・ふくらみの大きい60代では適応外となる場合がある |
ダウンタイム
(腫れ) |
1〜2週間 | 1週間程度 |
ダウンタイム
表ハムラ法は、目元の腫れが引くまでに1〜2週間程度と、比較的長い期間となります。一方で裏ハムラ法は、1週間程度で腫れが落ち着きます。ただし、内出血や腫れのダウンタイムは個人差があるため、あくまで目安としてお考えください。
表ハムラ法は、首から下は当日から可能、24時間後から目元以外のシャワー可能、48時間後から、すべてシャワー可能です。
また、術後7日後の抜糸をしてから、入浴が可能になります。目元のメイクも同様に、抜糸後から可能です。
裏ハムラ法の場合も表ハムラ法と同様に、首から下は当日から可能、24時間後から目元以外のシャワー可能、48時間後から、すべてシャワー可能です。入浴は、1週間ほど控える必要があります。目元を含む洗顔は、施術から24時間後であれば問題ありません。
なお、いずれも1〜3ヵ月程度は赤みや硬さが残ることがありますが、メイクやコンシーラーなどで隠せます。
メリット・デメリット
表ハムラ法の大きなメリットは、ふくらみと凹みの改善に加えて、皮膚のたるみやしわを改善できることです。皮膚の表面からアプローチするため、その際に余分な皮膚も切除できます。
デメリットは、裏ハムラ法に比べるとダウンタイム期間がかかり、傷跡が残る場合があることです。また、皮膚を切除し過ぎると下眼瞼外反(あっかんべー状態)になるリスクもあるため、適切なクリニックや医師選びが重要となります。
裏ハムラ法の大きなメリットは、比較的ダウンタイムを抑えられ、傷跡も残らないことです。皮膚表面からの切開がないため、下眼瞼外反や涙袋がなくなるリスクも最小限で済みます。
デメリットは、ふくらみや皮膚のたるみが大きい場合、改善が難しいことです。このような場合は、表ハムラ法や脱脂+脂肪注入など、他の治療を検討しなければなりません。
おすすめの人
メリットとデメリットを踏まえたうえで、それぞれのおすすめな人は以下のような方です。なお、実際の施術の適応については、医師がカウンセリングで判断いたします。
【表ハムラ法】
ふくらみによるクマの程度が大きい方
皮膚のたるみやしわが目立つ年配の方
ダウンタイムの期間が取れる方
【裏ハムラ法】
ふくらみの程度が少ない方
目元のたるみやしわがない、比較的若年層の方
涙袋を残したい方
長いダウンタイム期間はとれない方
表ハムラ法(切開ハムラ法)とは?
表ハムラ法は、傷跡が目立たないまつ毛のキワから切開してクマを改善する方法です。切開ハムラ法とも呼ばれます。クマの原因である余分な脂肪を、下まぶたがフラットになるように移動させ、脂肪を骨膜に固定し、ふくらみと凹みを同時に改善します。このとき目の下の余剰皮膚も切除でき、皮膚のたるみやしわの改善も期待できます。
表ハムラ法(切開ハムラ法)の施術の流れ
- 施術箇所のデザインをし、局所麻酔と安心麻酔(静脈麻酔)をおこないます。麻酔が効いたことを確認後、施術を開始します。
※安心麻酔代は別途かかります。 - 下まぶたのまつ毛ギリギリのラインを切開し、皮膚の一部を取り除きます。
- 眼窩隔膜を切開し、フラットになるように眼窩脂肪を移動させ、骨膜に脂肪を固定します。クマの状態により、一部脂肪を切除する場合もあります。
- 最後に切開部を縫合し、60〜90分程度で手術が完了します。当日にご帰宅いただけます。
- 術後、5〜7日前後で抜糸をします
表ハムラ法(切開ハムラ法)の症例写真
【大きな膨らみ、伸びてしまった余剰皮膚も同時に改善】
執刀医:佐々木愛子 医師
ドクターコメント:
こちらのお客様は目の下の大きな膨らみによって年齢以上に老けた印象に見えることに悩まれていました。目の下の飛び出た脂肪をゴルゴ線付近の凹みへと移動させることで目の下をフラットにしてくまを改善しています。
また膨らみが大きくなったことにより伸びてしまった余剰皮膚も一緒に取り除くことで目元がキュッと引き締まり、若々しい印象になっていますね。
【傷跡もなくクマを改善、20代の若々しい目元に】
執刀医:生水幹憲 医師
ドクターコメント:
目の下の膨らみと、余分な皮膚によって疲れているように見られがちなことにお悩みをお持ちでした。膨らんでいる部分の脂肪をへこんでいる部分に移動させたことで、目の下の張り感もでて涙袋もぷっくりしましたね♪
裏ハムラ法とは?
裏ハムラ法は、下まぶたの裏側(粘膜の赤い部分)を切開し、余分な脂肪を凹み部分に移動させてクマを改善する治療です。骨膜に脂肪を固定する際は、溶ける吸収糸を使用するため術後の抜糸は不要となります。
表ハムラ法では、皮膚の表面を切開するため傷跡が多少残りますが、裏ハムラ法は結膜側を切開するため、傷跡が見えないメリットがあります。
裏ハムラ法の施術の流れ
- 施術箇所のデザインをし、局所麻酔と安心麻酔(静脈麻酔)をおこないます。麻酔が効いたことを確認後、施術を開始します。
※安心麻酔代は別途かかります。 - 下まぶたの結膜側を切開し、症状に合わせてフラットになるように眼窩脂肪を調整します。
- 溶ける糸を使用して、脂肪を骨膜に固定します。切開部を縫合し、40分程度で手術が完了します。当日にご帰宅いただけます。
裏ハムラ法の症例写真
【術後1週間でクマがなくなり、目元が明るい印象に】
執刀医:坂西寛信 医師
ドクターコメント:
クマがあり疲れた印象から、パッと明るい印象になりましたね!
『裏ハムラ法(経結膜眼窩脂肪移動術)』は表面に傷を作らず、自然な変化で目の下のクマを解消いたします。
【傷跡もなくクマを改善、20代の若々しい目元に】
執刀医:山下 昭悟 医師
ドクターコメント:
20代女性のモニター様の症例です。「メイクをしてもなんかパッとしない」「顔色が暗く見える」のようなお悩みをお持ちでしたが、裏ハムラ法でお目元の眼窩脂肪を平らになるように移動したことで凹凸がなくなり明るい印象になりました。
ハムラ法のよくある質問
傷跡は残りますか?
表ハムラ法では傷跡が残る場合がありますが、まつげのキワに沿って切開するため基本的に目立ちません。裏ハムラ法の場合、下まぶたの裏側を切開するため傷跡は見えません。
治療によるリスクはありますか?
出血や感染などのリスクの他、表ハムラ法の場合は下眼瞼外反などの合併症のリスクがあります。技術力が問われる施術のため、実績のあるクリニックや医師を選ぶことが重要です。
表ハムラ法と裏ハムラ法はどちらがよいですか?
表ハムラ法は、ふくらみが大きく、たるみの改善もしたい30〜60代の方がおすすめです。裏ハムラ法は、目元のたるみやしわが少ない20〜50代の方に適しています。
いずれもカウンセリングで目元の状態を確認し、医師が適切な施術をご提案します。
まとめ
クマ取り治療のハムラ法には、「表ハムラ法」と「裏ハムラ法」の2種類があり、それぞれに異なるメリットとデメリットがあります。年齢やクマの状態により適応条件が異なるため、特徴を比較して検討するとよいでしょう。最終的な適応の判断は、医師がカウンセリングでおこないます。
湘南美容クリニックは、ハムラ法をはじめ、クマ取り治療で豊富な症例実績を持っています。患者さま一人ひとりの目元の悩みに応じたさまざまな治療方法を提供しており、最適な治療法をご提案いたします。クマがなくなるだけで、お顔全体の印象も大きく変わるものです。目の下のクマにお悩みの方は、ぜひ当院の無料カウンセリングでご相談ください。